"私の一日"
原稿を読む/打ち合わせ/文字もの素材の作成
リブレ出版株式会社
コンテンツ制作事業部 第3グループ
<2006年 正社員入社>

「女性の癒し」の根底にはアナログな努力

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●商品としての小説が出来るまで

リブレ出版株式会社コンテンツ制作事業部で小説の編集全般を行っています。小説が出来上がるまでには様々な工程があり、作家さんとの打ち合わせ、プロットの確認、原稿の確認、原稿が完成した後には校正家、表紙などの装丁デザイナーとの打ち合わせ、そして私が担当しているエンターテイメント系の小説では、イラストレータ―とのやり取りがあります。単行本が出来上がるまでは、後ほどもう少し詳細をご紹介いたします。

その他にも、雑誌に掲載する作品扉のキャッチコピー、単行本の帯やあらすじ、WEBに載せる情報用のリード作成など、文章やキャッチコピーを考える仕事も数多くあります。中でも、単行本の文字要素は読者にその作品の魅力を伝えるとても重要な部分になりますので、完成までには実は何度も直しています。時には先輩や編集長、営業部など他の部署のスタッフにも意見を求め、少しでも多くの読者に伝わるよう意識しています。

様々な業務が有る中で、やはりメインの仕事は作家さんとの作品づくりになります。月によって業務の量に差は有りますが、たいてい並行して4~5作品は動いています。私が担当させていただいている先生方は、最初の原稿が上がったあと、打合せをして改善点を洗い出し、改稿をされる作家さんが多いので、同じ作品を複数回読んで、完成にたどり着きます。

せっかくですので、ここで、単行本が出来上がるまでの流れを簡単にご紹介させていただきます。

原稿が完成し印刷所に入稿すると、ゲラと呼ばれる書籍の版面にレイアウトされた小説本文が出てきます。それをプロの校正家と編集者で内容に齟齬がないか、誤字脱字がないかをチェックします。さらにそのチェックが入ったゲラを作家さんにお渡しして、著者校正と呼ばれる作家さんのチェックをお願いします。先生から著者校正を戻していただきましたら、3人の訂正事項が反映された2回目のゲラ、通称・再校ゲラが印刷所から出てきます。その再校ゲラに間違いがないかどうかを、頭から最後まで入念に読んで、最後の洗い出しをします。あとはその再校ゲラに対してイラストを組み込む位置の指定をし、印刷所に戻します。そして、イラストも組み込まれた最終確認版のゲラが出てきます。それが本当の最終確認となりますので、それを確認しましたら校了となります。その他にも表紙のイラストの色味調整、バーコードなどの商品情報の監修チェックを色校正で行います。まだ他にも工程はあるのですが、そちらについてはぜひご入社いただいた際に!

●企画からお菓子まで

編集職に就いたきっかけは、クリエイティブな企画系の仕事をやりたいなと考えたら、それがたまたま編集職だったんです。そんな志望動機でしたのでBLというジャンルは知っていましたが、大量に読んだのは実は入社後でした。

入社配属時から現在まで小説編集職で、仕事をしながら「今これが自分の仕事なんだなぁ」というのが見えていった感じです。新入社員の頃に想像していた編集の仕事って会議、打合せ、原稿読んで校了してみたいなものだったんですね。でも実際には、雑誌に寄せられたアンケートハガキの感想を纏めたり、資料を作ったり…そういった地道な作業がすごく大切な仕事なんです。実際の作家担当編集の世界は、作家さんにモチベーションを上げていただけるように様々な努力が大切な裏方業務なんです。

ワクワクするのは新しい企画が思いついた時と作家さんから原稿をいただいた時です。その他に思い出に残っているのは、初めてグループ会社と協力して企画・販売した「乙女ロードクッキー」を担当した事ですね。当時、グループ会社のコアデの企画営業の方と色々打合せを重ねている内に「乙女ロードクッキー」を制作することになったんです。リブレには女性に大人気の作家さんが数多くご執筆くださっていますので、ご協力を仰ぎ、それぞれの作家さんの作品のキャラクターを描き下ろしていただきクッキーを作りましたら、とても話題となりました。編集をやっているとお菓子作りも出来るんだ!と、それはもうインパクト大でしたね。それぞれの強みを活かしてグループ会社で協働出来たということは、とても大切な機会でした。

●変化する仕事

近頃は多少の不測の事態には動じなくなりました。これは経験を積んだ賜物だと思います。入社してから20代の頃は、やりたい企画や担当業務を目一杯やってきました。その時期の私は、もっと自分が考えなくてはいけない、提案できないとダメだ、とだいぶ前のめりでした。それは良い点もありますが、やっぱり作家さんの豊かな創造力や発想力に比べると実は大した力にならなかったりするんです。もしかすると自分の提案を一方的に押し付けてしまっている可能性もあって。一歩引いて相手に頼ろう、相手の発想を尊重しようと思えるようになるには、どうしても私の場合は年月が必要でした。

年次を重ねた現在、担当編集業務は7割ぐらい、残りは進捗などを管理するチームリーダーの仕事に変わっています。リブレは年次が上がっても担当編集業務が出来ますが、やはりキャリアとともに、プラスαの仕事や、チームや会社全体を見るような仕事も担うようになります。

今まで仕事を辞めたいと思ったことはありません。大変な事があって心理的に辛くなっても、先輩や上司がフォローしてくれる環境があったからだと感じています。またコンテンツ制作事業部では一部フレックス制が採用されているんですが、時間が不規則になりがちな編集職において、その社内環境はやっぱり有難い部分ですね。また、リブレは女性向けコンテンツが中心の会社なので、社員もほとんどが女性なのですが、産休・育休制度を利用し復職しているスタッフもたくさんいます。

最後になりますが、編集という仕事はメディアの多様化とともに、様々な形で表現する仕事へと変化しています。型に囚われない新しいコンテンツを、皆様と一緒に作っていけたら嬉しいです。

学生時代のうちに、様々な事にアンテナを貼って、色んなタイプの人と交流して、多くの事を体験しておくに越した事はありません。時には型破りな経験が、企画力へと結びつくと思うのです。

リブレの夢は「世界中の女性を癒すこと!」です。リブレが大好きで誠実に仕事と向き合いたい、そんな皆様と夢を追いかけて行きたいです。


リブレ出版株式会社
コンテンツ制作事業部
第3グループ
<2006年 正社員入社>

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