"私の一日"
考える→調べる→提案する
株式会社アニメイトホールディングス
経営企画室
<2012年 新卒入社>

「日本文化の海外輸出」が就活のテーマだった彼女は、入社後もその目標を周囲にも自身にも言い聞かせ続けていた。大きな挫折の後で、漠然としていた“遠い目標”は、より具体的なものに変わっていたという。

……


●現在の仕事

3つのミッションがあります。1つは、海外事業関連で訪日外国人誘致を推進すること。(いわゆるインバウンド事業)2つ目は、社内業務をより効率的に進めるための改善提案、問題提起とマニュアル作成。3つ目は、2014年に発足したダイバーシティ推進プロジェクト委員会の一員として主に女性の活躍推進のための環境づくりをすることです。

●入社のきっかけ

就職活動は「なんでもいいから、とにかく、海外に関わる仕事」が大前提でした。そして「日本の文化を海外に紹介する、持ち込む」仕事をしたいと希望していました。

食やファッションは多くの企業が既に海外進出しており、伝統文化も海外に浸透しきっており、ビジネスにするには難しいのでは、と感じましたが、「アニメなら!これから開拓できる」と、考えました。また海外の人々を日本に呼び込む「インバウンド」にも興味を持っていましたが、私が就職活動した年はあの東日本大震災が起こった2011年。希望していたいくつかのインバウンド系の会社は採用そのものを見送っていました。

そのような状況下、アニメイトグループでは各社の募集が例年通りあったのですが、「海外事業部」の人員募集はありませんでした。そこで、会社説明会に参加し「海外で仕事ができるとしたらどこの会社に応募すれば良いですか?」と質問したところ、アニメイトの「ストアマネジメント職」が最も可能性がある、との返答だったため、株式会社アニメイトへの応募を迷わず決めました。集団面接でも最終の役員面接でも「海外の仕事がやりたい」と言い続けました。

●秋葉原でのスタート

その時の思いを考慮して頂いたのか、配属は海外からのお客様が多い秋葉原店でした。配属後も事あるごとに「海外展開をやりたいです」「海外をやるために入社しました」と言い続けました。海外出店や海外での店舗営業に将来従事するには、お店の仕事は基本中の基本。自分はそのために今秋葉原にいるんだ、って、視線は完全に海の向こうで秋葉原にいました。(笑)

年中「海外、海外」と騒いでいたおかげか、ある日、アニメイトグループ会長との面談の機会がありました。会長にまで、そのことが届いた。会長からは「海外に行きたいなら新人の中で一番になれ」と言われました。今思うと、どうすれば一番になれるのか具体的なことも考えないまま、ただガムシャラに「超絶できる新人にならなければ!」と勢い込みました。

今になってみると本当におかしなことなのですが、新人だとしても先輩や上司と同じように今すぐ活躍出来るようにならないといけない、と。そして、「とりあえず新人だけど今すぐに店長並になろう」と大胆な目標をたてました。3年以内に海外事業に従事できなければ、もう転職しようとさえ考えていました。

●高い目標そして挫折

実際には、お店の運営どころか、慣れないパソコン操作に時間がかかって簡単な事務処理さえ言われた時間に終わらない始末でした。また、スタッフの方とのコミュニケーションもはじめの頃は上手にできず、自分自身の強い思いと情けない現実のギャップに「このままじゃ海外なんて絶対無理だ」と悩み、落ち込み、モチベーションが大きく下がってしまいました。

その時、当時の店長が親身になってアドバイスしてくださいました。「海外を目指して頑張るのは良いことなんだけど、そのプレッシャーが自分自身を苦しめている。一度、目標から距離をおいてみようよ」「その上で、壁にぶつかっているなら現状はわかるけど、じゃあどうするかを一緒に考えよう」と。

「じゃあどうするか」と言われてみたら「出来るように努力する」と答えは非常にシンプルなことなのですが、当時はできない自分にばかり目が行って、進むことを忘れている自分に気付きました。まず「出来ない自分」を受け入れて一歩ずつ努力しようとその時に初めて思うことができました。海外というあまりに遠い目標を一旦忘れて、それを達成する手前の目標を着実にいくつか立てようと思ったんです。

パソコン操作を早く出来るようにする。キャラクターグッズの陳列のスキルを上げる。頼みづらいことや自身の考えも、きちんと周りの方々に伝えられるようになる、等々が当面の私の目標になりました。まずは「店長、エリア長のようになる」という前に、「一人前のキャラクター商品の部門担当者になる」といった具合に、“中間の目標”を意識するようになりました。そして「3年以内に海外」ではなく、「まず3年かけてしっかり店舗のことを学ぼう」と思い直しました。

●届いていた思い

自分を受け入れて、目標との距離も冷静に測れ、「やりたいことからやるべきこと」が自覚でき、むしろ自分のやっていることに少しずつ自信が持てるようになっていきました。

そんなある日、入社2年目でしたが「海外、海外って騒いでいた社員が秋葉原にいる」ということが現在の上司の耳に届いて、より海外に近い仕事が出来る本社に異動するきっかけをつかむことが出来ました。インバウンド事業を始めるのでやってみないか、と声を掛けていただきました。

●念願のインバウンド
外国からの修学旅行生をおもてなし

現在は、立ち上がったばかりのインバウンド分野の事業で、将来につなげる様々な試みを行っている最中です。

中国からの修学旅行生の方々を「アニメイト池袋本店」にオプショナルツアーとしてアテンドさせていただいた経験もあります。この時、店舗現場にて、商品のお問い合わせをいただく事がありました。英語はそれなりに使えるのですが、中国語は私の知識の範囲外です。

そこで、手持ちのスマホの言語設定を普通語(マンダリン)仕様に変更の上、学生のお客様自身に簡体字の検索ワードを入力いただきました。そうすると、その作品の画像がスマホに表示されます。ヴィジュアルを見れば作品名がすぐにわかるので、売り場や商品をご案内することができました。“絵という共通言語”があるので、アニメやマンガはグローバル化に向いているな、と実感しました。

何よりも学生の皆様の“爆買い!”がすごかったです。お客様の嬉しそうな笑顔が、こちらも何より嬉しかったです。後で旅行代理店の方に伺った所では、皆さん、修学旅行に持ってきたお小遣いの半分以上を、その日にお使いいただいた、とのこと。

●業務改善と女性の活躍推進

インバウンド事業のほかに、業務改善の提案や、販促部門のマニュアル見直しにも取り組んでいます。組織が大きくなって、それまでは「口伝」で事足りていたものを「マニュアル化」しないと進まない場面が多くなってきており、新たな業務マニュアルが必要となりました。それを私が担当しています。

「口伝」のルールをマニュアルとして明文化する中で、逆に「このやり方だと効率が悪いんじゃないか?」と気づいた点は、その場で改善を提案し、取り入れています。

アニメイトグループが課題として掲げる「女性の活躍推進」にも携わっています。店舗出身の女性社員という自身の立場を活かし、「多くの女性に様々な職場で能力を発揮してもらうには」、ということに取り組んでいます。産休や育休に関するわかりやすい冊子づくりや、様々なハラスメントの勉強会を開催することも私の仕事です。

“趣味は旅行。チャンスをみつけては出かけます”

●現在の目標

「日本のアニメやマンガを海外へ」の思いで飛び込んだ会社ですが、今は「一人でも多くの外国人のお客様にアニメイトを楽しんでいただきたい」に変わりました。

変わったというか、アニメ文化をどうやって海外の人に伝えるか、その方法論が入社前よりも明確になったのだと思います。

また、海外でも「アニメイト」の海外店舗にきていただくことで、国内同様に、欲しいものとの接点だけでなく、人とのつながり、出会いの場を提供したいと思っています。

そして、インバウンドだけでなく、当初の目標である海外展開(アウトバウンド)にも携わりたいと考えており、今でも海外事業部で活躍することを目指して日々仕事をしています。


株式会社アニメイトホールディングス
経営企画室
<2012年 新卒入社>

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<2008年 中途入社>